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自家用しいたけ栽培資料

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自家用椎茸栽培 作業カレンダー

自家用椎茸栽培 作業カレンダー
 

1原木の伐採

1原木の伐採
 
樹種 クヌギ(最適) コナラ(適) カシ(適) シイ(適)  その他アベマキ、ナラカシワ
●伐採 20年生ほどの原木を地上10㎝のところで切り倒します。

    枝はそのままに約1~2ヶ月間放置します。⇒葉干し期間と言う

    伐採する時は、原木同士あまり重ならないようにできるだけ斜面に対し上向きで

    倒すと水抜けが良くなり良好な原木となる。

●伐採時期 10月下旬~11月上旬(特にクヌギは時期を守ること)

    クヌギは時期が外れると水抜けが悪くなり、結果として椎茸菌のまん延が悪くな

    ります。

    コナラやカシ、シイ類は12月~2月頃まで大丈夫です。

※クヌギ原木は、地上より10㎝高い位置で伐採することで、根っこが枯れることなく、萌

 芽更新(再生)します。

 新たに植林することなく15~20年後には再び伐採可能な林になります。

 

 
伐採の適期は3分黄葉。 降雨前後2~3日は伐採しない。
伐採が遅れても7分~8分では伐採を終了する。
 
 

2伐採後の管理(葉干し)

2伐採後の管理(葉干し)
 
伐採後は約1~2ヶ月ほど放置して葉が枯れるのを待ちます。
葉が茶色く枯れると原木内の水分が抜け枯死状態になり、玉切り作業ができます。
特にクヌギはこの工程が重要です。
椎茸菌は木材が枯死(枯れ死ぬ)しなければ木材の中に菌糸が伸びていくことが出来ません。
コナラも伐採後1ヶ月ほどの葉干し期間を置いて玉切りを行います。
カシ、シイ類は伐採後2~3週間で葉干しを終了して玉切りを開始します
 

3玉切り

3玉切り
 
玉切り作業は、100~110㎝の長さに切り分ける作業です。
 時期は伐採後1~2ヶ月で行います。
 尺棒などを当て一定の長さに切り(玉切り)ます。長さが不揃いになるとその後の管理が
 面倒です。
 玉切った原木は集材して植菌するまで枝葉をかけて過剰に乾燥しないようにします。
 

4植菌

4植菌
 
●穴あけ作業 電気ドリルで穴を開けます。
  穴あけの間隔は図のように列間4~5㎝ 縦間隔は20~25㎝ ちどり状(互い違い)
  に穴を開けます。 穴の深さは2.5~3.5㎝に調整。
 
 
●電気ドリルとキリの入手と調整
 ドリルは東芝、マキタ、日立から椎茸専用が販売されています。
 農協資材課、森林組合、ホームセンターなどで入手できます。
 キリも種菌を扱う農協や森林組合で入手できます。
 穴の深さは図のように調整します。お勧めは深さが2.5㎝一定のストッパーキリです。
 ドリルに付属のストッパーを付ける必要もなく手軽です。
 電源100ボルト、6アンペア以上が必要です。発電機を準備するか、電源のあるところへ
 原木を運んで穴を開けて下さい。
 
 
●植菌(菌の植え付け)
ドリルで開けた穴に菌を打ち込みます。1個の穴に駒1個。
穴の下に空間が空きますが問題ありません。
駒が飛び出たり、逆に押し込み過ぎはよくありません。表面と同じ深さにします
 
 
 ●品種選定(重要です)
 ①菌興240号
  自家用品種のお勧めは菌興240号です。 栽培が簡単で秋・冬・春と
  収穫期間が長く多収穫な品種。乾燥が強い栽培が難しい環境や、初心者
  など誰にでも作れる品種です。
  品質は、厚肉で大葉が多く、初心者が栽培したとは思いえない高級品き
  のこに育ちます。
 
 ②菌興115号
  115号は散水をして冬場に収穫すると傘の表面に亀裂がはいり超高級
  品きのこになります。少し技術が必要です。収穫は冬から春にかけてで
  す。ハウスなど施設栽培にも向きます。
 
 ※種菌のお求めは全国の農協資材課、森林組合、椎茸専門農協などで入手できます
 

5仮伏せ

5仮伏せ
 
仮伏せは椎茸菌糸の初期活着(初期伸長)を促すための処置です。
特に1~2月に植菌した場合は笠木(枝葉)を掛けてほだ木の乾燥を防ぎます。
笠木が無いが場合は寒冷遮やコモなどをかけます。
期間は植菌直後から6月頃まで。木口(切り口)に菌が吹いてくれば仮伏せ完了。
本伏せ作業に移ります。
 

6本伏せ

6本伏せ
 
仮伏せから木口に白い菌糸紋が確認されたら図や写真のように本伏せを行います
 
伏込みのスタイルは様々ありますが、基本的に風通しを良くして直射日光が当たらないように管理します。
小規模の場合は住宅の周囲の庭木の陰を利用することが多いと思いますが、枝葉の少ない庭木の下は、極端に乾燥するので事例写真より低く伏せ込むとよいでしょう。
1本立ちの樹木の幹は日光の移動で直射が当たります。要注意です。
住宅の軒下は降雨がなく、フェンス周辺は風通しが過剰なため、水分不足で菌糸が十分にまん延しません。
庭木の林内に伏せ込む場合は、十分に日陰があり広い範囲で直射日光が当たらないところでやや低めに伏込みましょう。
 

7-1ほだ起こし(普通起こし、1年起こし)

7-1ほだ起こし(普通起こし、1年起こし)
 
ほだ起こし時期
品種によっても異なりますが、カタログに記載のある秋の発生温度を目安にします
品種 240号 最低気温10度 10月下旬~11月上旬
品種 115号 最低気温 5度 11月中旬~11月下旬
伏込み地から移動してきて、ほだ場に写真のように立てます
1年起こしの場合には特に時期や温度を気にする必要はありませんが、伏せ込んだ年の11月頃から翌年7月頃(梅雨明け前)に椎茸が収穫できる状態に立て込みます。
注意することは、移動中にほだ木の表面温度が30度以上になるような直射日光に当てないようにして下さい。菌糸が死滅します。
 

7-2ほだ起こし(即起こし)

7-2ほだ起こし(即起こし)
 
本伏せをせずに仮伏せ状態から即座に椎茸が収穫できる状態に起し(ほだ起こし)ます。
即起こしはほだ木が未熟な状態で起こすので害菌の侵入が心配されます。ほだ木を起こすほだ場は風通しを良くし、腐ってしまったほだ木や腐葉土は清掃して排除しておきましょう。 二夏経過した秋には寒さとともに自然に発生が始まります。
作業が簡素化できて、ほだ木を降ろす時期に迷いがないのでお勧めできる工程です。
 

8ほだ場事例

8ほだ場事例
 
専門の生産者が管理するほだ場事例です 落葉樹と常緑樹の混植が最適です
日差しが強い場合はネットなどで庇陰の補充をします。
極端に暗く寒いほだ場はお勧めできませんが、近くに林があるならばそこをほだ場とする方が良いでしょう。寒いほだ場冬場の収穫が望めませんが、春はしっかりと発生します。
 
近くにほだ場が無い場合は簡単な人工ほだ場も作ることも可能です。
骨組をしっかりとしたうえで、寒冷遮で覆います。寒冷遮の庇陰率は60~75%。
寒冷遮(かんれいしゃ)という商品名で農協やホームセンターで販売されています。
※事例写真の寒冷遮の色は白いですが、普通は黒色です。
 
庇陰物にヨシズを使うのも良いでしょう。
庭木の樹木林のをほだ場にする場合は周りに防風垣を施したり、寒冷遮で庇陰調整をします。イメージでは湿度が高く、木漏れ日が入り、暖かい感じです。
 

9発生・収穫

9発生・収穫
 

椎茸の収穫できる時期は秋(11月頃)から春(4月上旬)です
芽切りには低温刺激(10℃以下、品種・ほだ年齢によって異なる)が必要ですが、日中には15~20℃程度に上昇することが必要です。

 
収穫の目安は好みもありますが、厚肉(どんこ)で採ることをお勧めします。
厚肉で歯応えがあり焼いても、煮てもうま味たっぷりどんこ椎茸です。
 
冬場は気温が低いとなかなか芽切り・成長しません。そこで、ビニール被覆や袋掛けを行います。親指大の芽で傘に亀裂が入るようであれば、乾燥気味。きのこの芽とほだ木の間に袋がが挟まるようになれば袋を掛けます。
 
袋の材質は透明度が高いボードン袋と半透明ポリ袋です。
一般にはポリ袋が出回っています。スーパーレジの生物用袋です。入手しやすいので
ポリ袋をお勧めします。保湿性が高くきのこが大きく育ちます。
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